Keyaki Beer Festival

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2025.09.10

ビール祭り開催30回記念! 公式コラボビール「KEYAKI」誕生

「2025けやきひろば秋のビール祭り」には、開催30回目を記念した3つの公式コラボビールが登場します。今回は、北海道・鶴居村のBrasserie Knot(ブラッスリーノット)が手掛けた特別な一杯をご紹介。シンプルに「KEYAKI(ケヤキ)」と名付けられた「ベルジャンセッションIPA」です。

ホップは、オーストラリアの「メルバ」とアメリカの「エルバス」。そして北海道・上富良野産のアメリカンホップ「カスケード」を使用しました。ベルジャン酵母がもたらすフルーティな香りに、ピーチやパイナップルのような果実香が重なり、IPAらしい鮮やかな苦味が全体を引き締めます。アルコール度数が低めで、明るいうちから乾杯するのにぴったりの一杯になりました。

自然、地域、人々を結びつけるビールづくり

Brasserie Knotは、2022年11月、北海道東部の釧路湿原近くにある鶴居村に誕生したブルワリーです。豊かな自然に囲まれた立地で、醸造所は旧小学校の建物を再生して創り上げられています。

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旧・鶴居村立茂雪裡(もせつり)小学校を改築して使用。近隣住民としっかり関係を作りながらブルワリーを運営している

代表であり醸造責任者の植竹大海(うえたけ ひろみ)さんは、埼玉の「COEDO BREWERY」、栃木の「うしとらブルワリー」、北海道の「忽布古丹醸造」といった国内有数のブルワリーで研鑽を積み、さらにカナダ・トロントの「Godspeed Brewery」で経験を重ねて独立しました。

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Brasserie Knotの代表を務める植竹大海さん

ブルワリー名の「Knot(結び目)」に込めているのは、自然や地域、人々を結びつける存在になりたいという想い。「ビールとつなぐ、ビールでつなぐ」をコンセプトに、アウトドアや音楽フェス、料理などと調和するビールを理想としています。

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小学校の体育館部分を醸造所として使用している。醸造施設は仕込釜が4つある「4 Vessel(フォー ベッセル)」というタイプの2KLブルーハウスに加え、4KLの発酵タンクを10本備える

「私たちのビールは、他のカルチャーとともに楽しんでもらえるよう、“きれいな味わい”を目指しています。そのために必要なのが『引き算のビールづくり』。個性が主張しすぎない、場の引き立て役になれるビールをつくりたいですね」(植竹さん)

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Brasserie Knotの定番品。左から「FLOWER」、「BIRD」、「WIND」、「MOON」
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東北海道地域だけで発売されている「DOTO」。他地域からも提供を熱望されるという

定番ビールは、ベルジャンホワイト「FLOWER」、ペールエール「BIRD」、IPA「WIND」、ダブルIPA「MOON」──。この“花鳥風月”の名を冠したラインアップは、植竹さん自身がクラフトビールの魅力を知り、のめり込んでいった順番を反映しているといいます。順に味わうことで、クラフトビールの魅力に惹かれた感覚を追体験できるユニークな構成。また、東北海道地域限定のベルジャンIPA「DOTO」をそろえ、地域に根差したブルワリーとしての歩みも着実に進めてきました。

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Brasserie Knotのタップルーム兼ボトルショップ。近隣の方も車で訪れるため、グラウラーにビールを詰めて持ち帰る人の割合が多い
 

ビール祭りを形づくり、成長を支えて

 

植竹さんは、けやきひろばビール祭り黎明期の2000年代後半から深く関与してくださった人物でもあります。COEDO在籍時には「けやきひろばでビールイベントをやりたい」という株式会社さいたまアリーナの構想に協力し、イベントのスタイルづくりにも尽力。当時のビールイベントは“小さなグラスで少量を試飲する”形式が主流でしたが、「ビールはゴクゴク飲んでこそ魅力がわかる」と考えた植竹さんは、ビール祭りを“1杯のビールを購入してしっかり味わう”形式として確立させました。

 
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ビール祭り運営チームとのコラボビール仕込みは、8/20に行われた
 

さらに、初開催時の出店交渉も自らが担ったといいます。たとえば大阪の「箕面ビール」や北海道の「石狩番屋の麦酒」(現在は閉鎖)など、各地のブルワリーを訪問し、出店を直談判。利益の見通しは不透明だったにもかかわらず、多くのブルワリーが快く参加を決めてくれ、結果としてイベントは大きな盛り上がりを見せました。

 
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開催して間もない時期の、けやきひろばビール祭り
 
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「第1回目の開催から関わってきた立場として、30回開催記念の公式コラボビールづくりに手を上げないわけにはいかないと思いました」(植竹さん)
 

いまや、クラフトビールファンはもとより、近隣住民にとっても春と秋の名物イベントとなったビール祭り。その成長を間近で見届けてきた植竹さんにとって、30回記念のコラボビール醸造は、まさに特別な意味を持っているのです。

 

ビール祭りとセッションIPAの特別な縁

 

KEYAKIのビアスタイルとしてセッションIPAをベースに選んだ背景には、ビール祭りに出店した際の経験が結びついているといいます。それは、COEDO在籍時の2013年、ビール祭り向けに考案した「セッションIPA」が大きな好評を博したこと。イベント限定品としての提供でしたが、飲み手からの反響が大きく、最終的には8年ぶりの新定番「COEDO 毬花-Marihana-」として商品化するに至っています。

こうした体験を踏まえ、30回記念ビールには思い入れのあるセッションIPAを選択。さらに今回はDOTOに使われるベルジャンイーストを掛け合わせ、「ベルジャンセッションIPA」へと発展させました。加えて、あえてリリースされたばかりのホップ「メルバ」と「エルバス」を初めて使用することで、Brasserie Knotにとっても挑戦的なビールになっています。

 
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ろ過した麦汁の透明度を確認する様子
 

「KEYAKIの最大の特徴は“アルコール度数が低い”こと。4.5%で飲み疲れしにくいので、会場では明るい時間からぜひゴクゴク飲んでいただけるとうれしいです。昼間からビールが楽しめるのも、けやきひろばビール祭りの魅力ですから」(植竹さん)

仲間や家族と「次は何を飲もう?」と迷ったときに立ち返る存在として。また、お土産として家で再び乾杯するビールとして。KEYAKIは、会場でも家でも、ビール祭りの思い出を彩る特別な存在になってくれるはずです。

 
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Brasserie Knotスタッフとビール祭り運営チーム。KEYAKIの仕上がりを楽しみに待ちたい
 
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